邪宗門のじかん

2009年2月4日水曜日

diary ともだち

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2009年2月3日 晴れ(節分)


去年の暮れ、デコちゃんから電話があった。「れいこちゃん、マスターが亡くなって、今日お葬式なの。静岡から見送ってね。」

大学時代、国立の邪宗門でバイトをしていた。手足のなが〜い金髪のマスターとショートヘアのママさん。マスターはマジシャン。あの洋服のセンスは何風というのではなく、もうマスターしか似合わない不思議風味。2階に猫がいて、ママさんの作るカボチャのプリンは絶品。狭いカウンターの中でママさん、マスターといろんな話をした。柱の色、床のレンガの段差、船乗りだったマスターが集めた異国の灯り、ドアベルの音、ママさんのタバコの消し方。店が上がって、奥の4人席でコーヒーを飲んだ。あのソファーのどこが解れていたかも覚えてる。

大学卒業後は、イギリスに行く前と帰国した時と、ほんの数回訪ねただけ。でもあの空間を音と匂い付きでこんなにも鮮明に想う。あまり会わなくてもその人がいまこの時を生きているのと、もう不在であると知るのは大きく違う。けれど、私にとって、マスターの存在は最初から浮世離れをしていて、今も何かしらおもしろいことをみつけていそう。

バイトの先輩・デコちゃんからのハガキで、記念にコーヒーカップを1つ譲ってほしいとかいろんな声はあったけど、形見分けなどいっさいせず、お店もたたんで、建物は取り壊し。ある意味、とても邪宗門らしい終わり方だったとありました。

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