歩くのが好きだ。
どこで、覚えたんだろ?
イギリスにいた頃、友達に会うっていうと、一緒に近所をぷらぷら歩いて、部屋にもどったらお茶でも飲んで「じゃあまたね」という、休日の過ごし方。
今も、そうだ。このあいだドイツから友人が来たときも、どこ行くわけでもない。ただ、近所を散歩して、家で一緒にごはん食べただけ。
歩いてると、自分がちっぽけだって、よくわかる。今日は、大通りに出たら臭いっと思った。排気ガスのにおい。私は富士市の生まれ。ヘドロの街です。小学校の頃、光化学スモッグ警報が出て、運動場で遊んじゃいけない、外出は控えましょうとか、そんな日がよくあった。そういう時、外へ出ると目がヒリヒリしたのを覚えてる。いとこは、ぜんそくが出るからうちへ遊びに来れなかったもの。
この空気、つながってんだよね。
中国からの大気汚染PM2.5が来るって言うけれど、戦後何にもなくなった日本は、一生懸命がんばった1950〜70年代に四大公害を出している。その時、よその国の人が「おまえら、公害出すなよ」と言っても、私たちは聞く耳を持っていただろうか?最中にいる人にとって、目の前のことしか見えないのって、とても当たり前というか。いくらそこで正論かまされても、それより明日の、今日の、今のことって何だか急に思っちゃった。
目に見える、誰でもわかる状況なり事象が見えた時、わかりやすいからみんな困るし、騒ぐし、ぎゃあぎゃあ言うけど、元に戻すのは、ほんとうに大変。何か作ったり、やったりすることで、その先どんなことが起きるのか、考える力…そういうのが今一番必要な能力?そんな気がするけれど。教育がやっぱ大切かなあ。
(…って、壮大な問題を抱え、あたし、ちっせーとなるわけです。)
*四大公害病:水俣病(1956年・熊本県水俣湾)、第二水俣病(新潟水俣病/1964年・新潟県阿賀野川流域)、四日市ぜんそく(1960〜1972年・三重県四日市市)イタイイタイ病(1910年代〜1970年代前半・富山県神通川流域で発生したカドミウムによる水質汚染)
先週、歩いていたとき、雨が降ったり止んだりして雲間から太陽が出ると、道路がぱーって明るくなって嬉しかった。小学校の時に、道路で、雨が降ってるところと降ってないところの境界線に偶然立ったときのこと、思い出した。あれはよかったなぁ。
去年、カッパドキア(トルコ)に行った時、軽く膝が笑うほど感動したのだけど。この気球に乗ったおかげで、観光客が飲んだミネラルウォーターが大量に捨てられているところや、タイヤを焼いてる人がいたのも、見えた。


