連続7回講座「土がぼくらにくれたもの」5月19日(日)開講します。

2013年4月16日火曜日

アートロ

t f B! P L

 田んぼの土で飯碗を作って、その田んぼで稲をそだてて、秋に米を収穫して、同じ田んぼの土でつくった茶碗でみんなでごはんたべて、元気だそうって、そういうのやりたいと思ったのが去年(2012)の5月。田植え前の登呂遺跡を訪れた。論理的には、地球上の土は熱が加われば、焼き物=石になる。けれど、正直やってみるまでわからなかった。

陶芸用の粘土は買うものかと思っているかもしれないですが、土は地球が製造元です。(いろんなものが専門化されていることで、知る機会がないのかもしれない。)

小学校の時に訪ねた登呂遺跡は、竪穴式住居を眺めただけだった。弥生時代に生まれた赤ちゃんも、今の赤ちゃんも、生まれたときは同じ!なんて考えなかったし、2,300年前と自分がつながってるとも思わなかった。

実験をするにあたって、お米屋さんや稲作農家の方や考古学の人と話して、いろんなことがわかった。この土器の破片は、上の写真が登呂の田んぼ土を野焼きした破片、下は遺跡からの出土品。同じように真ん中が黒いサンドイッチ状になっている。元の土は黒いので、外側だけ火が通って、真ん中は半生焼けなんだと私はそう理解した。ところが、考古学の先生はそれを事象と捉え、こうなっているんです、炭化ではないか?と。専門がちがうとこうも見方がちがうのか…びっくり!

煮炊き用の、甕(かめ)の形は、大・中・小といろんなサイズがあれど、なんでみんな同じ形なんだ?ぜったい、意味あるよね?と、初めて炊飯実験をした昨年の9月。考古の眼で見ると「ああ、このすすの付き方は、出土品と同じだ!」私たちが注目したのは、どんなに火を焚いて灰がぼんぼん舞い上がっても、煤(すす)が甕の中に入らない。それ、すごくない?「この形、デザインされてる。」お米屋さんは、うぅん、こんなに毎回燃料使ったかなぁ?と新たな実験を試みる。

ただ単に昔の暮らしをなぞってみよう、じゃなく。自分で考え、作リ出す楽しさとか、今の暮らしを見直すきっかけを作れるんじゃないか?と去年から実験を続けて、仲間を募ることになりました。

土器作り、田植え体験、稲刈り…を単発の経験でなく、連続して、土と火と水と太陽と、自分の手も足も耳も全部使って体験したい。

一緒にやりませんか?
4月20日より参加申し込みを受付いたします。

<関連記事> 2,000年前の弥生式土器。壷の底に、葉脈の跡が残っているわけ。
平野雅彦氏/脳内探訪
アンコメ通信/浸す。浸さぬ。 旅先は、弥生。

【第1回】『土の製造元は、地球!〜土の採取・人と土の関係〜』

2013年 5月 19日(日) 講師:本原
【第2回】『土で、米を作る。〜米は種。なぜ撒かないの?〜』
2013年 6月 9日(日) 講師:青木
【第3回】『土で、稲を育てる。〜田んぼにも個性がある〜』
2013年 7月 7日(日) 講師:長坂
【第4回】『土で、器を作る。〜田んぼの土が焼きものになる〜』
2013年 8月 4日(日) 講師:本原
【第5回】『土で、作った楽器で遊ぶ。〜きもちを音で伝える〜』
2013年 9月 8日(日) 講師:菊池、本原
【第6回】『土で、育った稲を穫る〜穂刈りと脱穀〜』
2013年 10月 20日(日) 講師:長坂
【第7回】『土からの恵みを、食べる。〜野焼きと収穫祭〜』
2013年 11月17日(日) 講師:長坂、本原
*各回とも午後1時~午後4時。11月17日のみ、午前10時〜午後4時。

【問い合わせ・申し込み先】
登呂会議委員会事務局へどうぞ。
電話:054(288)7122 メール: torokaigi@toro-museumshop.jp

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