12月17日、静岡新聞夕刊にARTOROについての寄稿が掲載されました。

2013年12月18日水曜日

アートロ

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<記事全文>
田んぼの土から飯碗も米も音も生まれる!登呂遺跡を舞台に、土から「作る・食べる・生きる」という循環を体験する連続7回講座「土がぼくらにくれたもの」(登呂会議主催)が11月17日に終了した。東京からの4名を含む22名の様々な年齢・職業の参加者と陶芸家、炊飯家、米生産者、土笛蒐集家が、5月から月に一度、登呂に集まり、弥生人の知恵や工夫を体験し、現代の暮らしを見つめ直した。
この講座の一貫したテーマは『なぜ?をやり直す』。第一回の講座では、登呂遺跡から出土した器の底に、なぜ、葉脈の跡が残っているのか?実際に葉っぱをロクロがわりに土器を作ってみた。粘土は買うものではなく、地球が生産者。田んぼの土を採り、叩いて、粘土にした。身近にある土も葉も当たり前すぎて、注意深く観察をしたことがなかった参加者にとって、その性質や感触、色、匂いも違うことなど新鮮な発見だったようだ。第一回講座の最後には『?』を共有した。「いつ、土を焼くことを思いついたのか?」「机がない時代、どういう姿勢で作っていたのか?」「スコップもバケツもないのに、どうやって土を集めたんだろう?」「土を触って、やすらぎがあるのはなぜ?」など、個々の参加者が日常生活で問題としている事やそれまで培ってきた経験や思考が深く関わり、それぞれの考え方の違いが楽しく分かち合えた。講座の最後には宿題が出され、参加者は「米=種」を持ち帰り、それぞれが自宅で工夫して育てた苗を6月に互いに観察し、田植えをした。10月、種から育てた稲がいくつの米粒になったのか一粒一粒数え、11月には、土器で煮炊きした米を田んぼの土で作った碗で、食べた。グループごとに炊き方が違い、隣りのごはんを試食しては工夫してみると、美味しくて、燃料も少なめの方がいいと結論付けた。自ら問いかけ、考え、作り出す楽しみを分かち合った講座の記録は、2014年3月に静岡市立登呂博物館で展示する。

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