2005年3月31日
ワヤンさん(うちの新車)がやってきてから、国内旅行、俄然たのしくなってきました。
パオには4つベッドがあって中もけっこう広い。
ずっと、行きたかった直島!っつうか、パオに泊まりたかったんだよー。私の中では地中美術館はオマケっくらいな感じだったのですが、すごくよかった。
地中美術館はクロード・モネ室、ウォルター・デ・マリア室、ジェームズ・タレル室の3つを安藤忠雄さんが作品として設計している。
どうして、ベネッセをして安藤忠雄氏をしてモネなんだろう?モネって。私の中では、すでにクラシックの域に達していた。中学の頃、すっごく好き(ベッドの横にポスター貼っちゃってたくらい)だったけど、私が高校生の頃にはPOP・ARTってもんがアメリカからやってきて、美大に進んだ私にはモネの絵は少々刺激がないものになっていた。
でもやっぱり、キレイ。自然光がきれいにまわっているモネ室。午前中に見るのと、2時頃見るのと、夕方見るのでは部屋の空気の色がぜんぜんちがう。それぞれの時間帯でいいなあと思う絵も変わる。こんな時間に描いたんじゃないかなあと思うと、その絵が部屋全体の空気とつながってしまうような。そんな感じ。
MuseumShopでまっ先に、モネの本を購入した。パラパラ読んでいると。モネって企業家だったんだ…。その時代(今でもそうかい?)作家と言えば、屋根裏に住んでビバ・貧乏!なイメージがあったけど、モネの出納簿からはすごい裕福だったことが窺われる、と。へぇー。17歳でパリに出た彼は、パリのサロンを回り、水を描いた風景画は穴だ!これを描けばイケル!とちゃんとリサーチもしていた。もう、肖像画を描いてブルジョアや貴族に喰わせてもらう時代ではない。これからは個人の家に置かれる絵画ダ!観る人それぞれがいろんな思いを馳せることができるような風景画。そう、そこに人物はいらない。しかも、自分が将来、国家的輸出物になることまで想定していたとは!生前、書かれた多くの手紙ものちに公表されることをかなり意識されたもので、モネほどその本意を読み取ることがムズカシイ画家もいない、と。(すげー。わたくし、このようにバカ丸出しの文章を残していいもんだろうか…)
James Turrel氏の作品。ぜひ、ナイトプログラムにも参加してください。いかに普段、モノとじっくり向かい合っていないか、思い知らされます。光がないと何も見えないと思っているけれど。明るくすることで見えなくなるものもあるんだネ。
「観察に値しないものはない」とどなたかがおっしゃっていましたが、その向かい合う時間の長さが問題。生活してると、どんどんいろんなものや情報が自分に入ってくるから、さっさと見極めなければいけなくって。見たふり、聞いたふりではダメだね。インターネットユーザーの待ち時間の限界は10秒。1分の物理的な長さは、昔も今も変わらないけれど、私たちは感覚的にじっくり待てなくなってるよ。というか、なにを期待して待っているの…?。ただそこにあるものとただ向き合えばいいのに。



