過去と共鳴すること

2013年6月25日火曜日

アートロ 雑感

t f B! P L

 

県立中央図書館3階展示室は、昨年(2012)7月から静岡県埋蔵文化財センターの常設展を開催している。そのことは、みんなに知られているだろうか?

案内をして下さったのは、木製品の研究を専門にしている中川律子さん。来年のARTOROで、木琴の専門家のお話を聞きたくて伺った。
導入部分に「発掘調査速報展」があり、そこでは第二東名建設にあたり、発掘作業が行われた天王ヶ丘横穴墓群の写真。これは、何だかトルコの遺跡のようではないか!?がしかし、発掘調査後にもう埋め立てられている。1つの墓穴に何人かが葬られていたそうだが、彼らの関係はわからない。最近は、頭蓋骨からDNA鑑定ができるらしいけど(…どうしよう、あたしの祖先だったら。)

展示されている、壮年で亡くなった女性の頭蓋骨には、漁労活動に従事した人に見られる「外耳道骨腫」が認められると、ある。墓穴群がある内陸部に、沿岸部から嫁入りした女性なのかもしれない、と。現代だと、サーファーの女性などに見られるというのだから、彼女は海女のように海を泳いでいたのだろうか?

展示の最後に、室町・鎌倉時代の大名や城主の暮らしと、庶民の暮らしに使われた道具が対比的に展示されていた。庶民の暮らしは、今、みんなが憧れる古民家の暮らしみたいでなんだか可笑しかった。大名や城主の使う陶磁器が中国産であったのに対し、庶民は廉価な漆器や素焼きの土器を使っていたという。今は逆、中国産の陶磁器が廉価で、漆器はお高い。

モノの尺度、というか価値について考えさせられちゃったよ。

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