cccこどもデザインスクール
応募してくれた15人のこどもたちと計5回のデザインスクールを8月に行いました。
8月4日(水)「まほうのえんぴつ」
鉛筆の起源は、およそ450年前にイギリス人がある山で黒鉛を見つけ、その塊を紙にこすりつけたら黒く“書けた“というところから始まっています。その後200年間でその黒い塊は山から採れなくなってしまい、残った黒鉛のかけらや粉をあるフランス人とドイツ人がもう一度かたまりにしたものが今の鉛筆につながっています。
その黒鉛を固めるのに粘土が使われたことはご存知でしょうか?
土とお付き合いしている玲子さんだからこそ生まれた、古いけど新しい“えんぴつ石”。
そのえんぴつ石を使ってこどもたちに“好きな動物に会いに行こう!”を描いてもらいました。
昔の人はこんな塊で描いていたのだね。
床に広げた画用紙にすぐに描き始める女の子。じっくりじっくり考えてから描き始める男の子。
ぬる、かく、こする。みんな夢中になっていつのまにか自分の手法を見つけていました。
“いつもの鉛筆のほうがいい!!”という声も聞こえたけれど、最後は“このえんぴつ石欲しい!!”
とほとんどのみんなが持ち帰りました。
塊では書きにくいから今の鉛筆の形にデザインされたのでしょうね。
8月5日(木)「ファンタジー植物図鑑 空想の花を描いてみよう!」
いつもみんなが描く“花”ってどんなかな? 本当にそんな“花”ってある?
二日目はゲストに、清水にあるお花屋Ombakさんに来ていただき植物についてお話ししていただきました。
お二人が持ってきてくださった普段は目にしないちょっと変わった植物たち。愛情あふれる説明に加え、近くで見て、触って、興味津々なこどもたち。
さぁ、自分だけの空想の花を描いてみよう!
どこに咲いている?どんな香りがするの?なんて名前かな?
植物のイメージを文字で表してもらい、その情報をもとに絵に描いてもらいました。
Ombakさんのお話を聞いたことで植物の見方もかわったのかな?
知ったことを活かし、想像力もどんどん広がっている様子でした。
最後には自分の空想の植物をみんなに発表しました。
この日に15人のこどもたちが描いた植物は図鑑にまとめ、スクール最終日に各こどもたちの手元へと届けました。
8月18日(水)「きもち・カード」
何を?誰に?伝えたい? 絵文字で作ってみよう!
普段何気なく見て、理解している絵文字たち。でも本当にちゃんと見てるかな???
実験“どっちに入る?男子トイレ女子トイレ”
15人の子どもたちに何も知らせず、“すごくトイレに行きたい!って気持ちで駆け込んで”と、廊下の端からトイレに走っていってもらいます。
ほとんどのこどもが間違えて異性のトイレへと駆け込みました。
何で?
実はこのトイレ、男子マークが赤色で女子マークが青色になっています。
みんな、いつも赤と青という色で判断しているのですね。
工事中のサインってどんな配色だったかな?外国にはこんな変わったサインがあるんだよ。
先生のそんなお話を聞いてから、さて君たちは誰に何をどのように絵文字にして伝えようか。
家族に、友達に、部活の仲間に。
髪の毛をすぐ乾かして! 授業中は落書きしないで! めがねをふまないで!
小学生のこどもたちには少し難しかったようですが、相手に伝わるものができたかな?
スクール3日目ということもあり、ボランティアのお兄さんお姉さんと仲良くなったり、こどもたちの緊張もかなりほぐれていたようです。
8月19日(木)「こわすことは、つくること」
いらなくなった衣類やモノをこわして新しい帽子をデザインしよう!
みんなそれぞれ持ってきた“いらないモノ“をチョキチョキチョキ。
黙々と、皆真剣です。
普段彼らが見慣れている小学校の帽子をベースにして新しい帽子をつくってもらいました。
15人の小学生デザイナーの作品はどのようにできあがるのでしょうか?
できあがった作品でファッションショーを行いました。
女の子は自分がモデルとなってショーに出て、
恥ずかしがり屋の男の子はボランティアモデルさんにお願いしてステージを歩いてもらいました。
御迎えに来たご家族の方にも一緒に観賞していただき、みんなとても楽しんでくれたようです。
8月26日(木)「作家のアトリエ展」見学 ~親子で、ビュフェ美術館に行こう!~
クレマチスの丘にある“ベルナール・ビュフェ美術館”へ、こどもたちと彼らのご家族と一緒に行きました。
フランス人画家ベルナール・ビュフェさんの様々な作品が集められた美術館です。
そこで開かれている企画展「作家のアトリエ展」を見学し、作家さんはどんなところで?どうやって?どんなきもちで?作品を作っているのか。
参加作家の持塚三樹さんのお話も合わせて同時に開催されているワークショップにも参加しました。
最後に併設されているベルナール・ビュフェこども美術館(体験型美術館)で楽しむこどもたち。
無邪気に、いつまでも遊んでいられそうな雰囲気でした。
なかなか美術館へ行く機会がないというこどもたちは、めずらしい体験でおもしろいと感じてくれたようです。
「また、来年も参加したい!」と言ってくれたこどもたち。
5日間の第一回こどもデザインスクールもこの日で最後となりました。
(報告:石田葉月)















